インスタの投稿画像をECの “コンテンツ” にチューンナップするのに、SmartJPEG は不可欠だった

株式会社トゥーワンラボ(to 1 LABO Inc.)
https://www.to1-labo.com/

企業のSNSマーケティングを支援するためのコンサルティング事業とプロダクト開発を手掛けるトゥーワン。そこから独立したのが、プロダクト開発に特化したトゥーワンラボです。トゥーワンラボでは、トゥーワンから引き継ぐ形でインスタグラムマーケティング支援ツール「imstream」(インストリーム)の提供を行っています。

「imstream」は、自社ECサイトにコードを埋め込むだけで、インスタグラムの投稿画像を抽出し、活用できるサービス。インスタグラマーの画像を自動抽出し商品をリンク設定することで、ECサイトにて、“インスタSNAPコンテンツ”を簡単に提供できます。ダッシュボードでは画像ごとに、いいね数やコメント数、コンバージョン・売上高を取得可能。投稿に関連する商品の購入導線も、管理画面より簡単にリンク設定することができます。これにより、従来とは異なる新たなプロモーション手法を採用できるのが特徴です。

写真左から:株式会社トゥーワンラボ<br>代表取締役 小林淳氏(左) Founder 水野圭介氏(右)
株式会社トゥーワンラボ
代表取締役 小林淳氏(左)
Founder 水野圭介氏(右)

複雑化するSNSマーケティング領域の問題解決をするサービス「imstream」を展開

――本日はよろしくお願いします。まずは御社についてお聞かせください。

小林氏:
母体となるトゥーワンは、SNSマーケティング事業・インフルエンサーキャスティング事業・SNSアカウント運用コンサル事業・自社プロダクト開発事業などを手掛ける企業として、2017年7月に立ち上げました。そこからシステム開発・SNS関連サービスを切り離して、トゥーワンラボを2018年5月に創設したという流れです。

株式会社トゥーワンラボ 代表取締役 小林淳氏

トゥーワンラボでは現在サービスとして、アパレルやコスメ、インテリアのECを手掛ける企業向けに「imstream(インストリーム)」、飲食店あるいは企業PRやキャンペーン向けに「tagstream(タグストリーム)」を提供しています。tagstreamは7月から提供を始める予定です。

水野氏:
私は自身のシステム開発会社を持っているんですが、トゥーワンの時代に「imstream」の責任者として招聘されてジョインした形です。トゥーワンラボは、小林と水野の2人の共同出資会社となっています。

株式会社トゥーワンラボ Founder 水野圭介氏

小林氏:
水野さんの会社は、優秀なエンジニアを複数抱えていて、彼らがimstream、tagstreamの開発を行っています。トゥーワンでは、インスタグラマーを使ったマーケティングなどを引き続き行っていますが、そうした“SNSマーケティングの効果を最大限発揮させるためのサービス”をトゥーワンラボで開発しています。

――「imstream」と「tagstream」は、どういうサービスですか?

小林氏:
「imstream」は、インスタグラムに投稿された画像を自動抽出し、自社ECサイトのコンテンツとして扱えるようにするサービスです。「tagstream」は“imstreamの簡易版”という位置づけですが、インスタグラムやツイッターに投稿された情報を指定のハッシュタグを元に抽出し、サイトに掲載できます。

imstreamの操作画面

――こういったサービスを開発されたきっかけやバックグラウンドをお教えください。

小林氏:
私はもともと、ツイッターやブログを使ったSNSマーケティングをやっていて、過去に東京ガールズコレクションの実行委員会にも関わったりしてきました。そうしたインフルエンサーまわりの業界で、10年くらいやってきたんですが、当初は“ブログでリンクを張るだけ”みたいなシンプルな施策で十分だったのが、インスタグラムが重要な領域になって、マーケティングや効果測定が難しくなってきました。顧客からもそうした要望が高まってきた。そこで、これまでの経験を活かし、SNSマーケティング領域の悩みを解消するサービスを提供しようと考えたのが始まりですね。

水野氏:
私は、そうした小林の理念を、技術で支える役割ですね。開発メインの自分の会社があるので、ベトナムの会社といっしょに開発をしています。単に受託するという関係ではなく、レベニューシェアにするなど、責任を持って長期間の良好な関係を作れるようにしています。

インスタ画像を取り込んで自社ECサイトで活用する「imstream」

――imstreamについて、詳しくお聞かせください。

小林氏:
imstreamは、EC事業者向けのサービスですが、「【i】nstagramをマーケティング活動の【m】ain【stream】に」という思いを込めて命名しています。

利用の流れですが、まずインフルエンサーさんに、独自のハッシュタグを付けてインスタグラムに画像投稿してもらいます。次にそのタグをもとに、当社が自社サイトに画像データを抽出してきます。独自タグで分類しているので、利用できない画像まで収集してしまうといったことはありません。そしてこの画像を、お客様側ECサイトに抽出します。投稿が蓄積されると、画像クリップも増え、ECサイト内に画像コンテンツが容易に生成できます。

たとえばアパレルであれば、いままでだと、いいなと思う商品画像があっても、メニューから戻ったりする必要がありました。imstreamを導入していれば、1つの画像に関連商品を紐付けて、スムーズに購入ページに誘導するといったCVR向上施策が可能になります。コンテンツとしても、多様な画像で構成されるので、より魅力的なページ作りが可能でしょう。

fifth(アパレル)さんなど、実際に導入されているECサイトを見てもらうのがよいかと思います。

――画像はインフルエンサーさんのものだけが自動収集され、効果測定されるんですね。

小林氏:
プロモーションっていうのは、いくらでも費用をかければよいというものではないので、かならず「解析」が必要になってきます。しかしインスタグラムでは、投稿画像の反応の解析というのは難しい。Aさんが投稿した画像のインサイトはAさんでないと分からない。

これがimstreamでクリップ済みの自社サイト上の画像であれば、はるかに容易になります。インスタグラムの画像は非常に価値が高いと思うのですが、第三者が投稿した画像を自動的に集め、その画像を起点としたクリックや売り上げなどを計測できるのが、imstreamの一番の強みだと思います。

――インフルエンサーさんの投稿する画像について、なにかアドバイスをしたりはするのでしょうか?

小林氏:
そのへんは顧客企業さんの考えにもよりますが、マーケティング分析やコンサルティング、プロモーションまで一括して受けることも可能です。むしろimstreamの解析結果を見て、マーケティング戦略を立てていくというステップになるんじゃないでしょうか。
ちなみにimstreamの利用料金は、初期設定費用が15万円、月額利用料はPV数による従量課金制で3万円からとなっています。

“映える画像”のまま、あきらかに遅かったECサイトが高速化、転送量料金も3割ダウン

――そして、大量の画像を扱うサービス、ということで、当社の画像軽量化ソリューション「SmartJPEG」を導入いただいたわけですね。これはどういったきっかけからでしょうか?

水野氏:
imstreamでは、インスタグラムの投稿画像を当社のクラウドサーバ(AWS)に保存して、それを顧客企業のECサイト上で表示しています。ECサイトのPVが増加すると、当然転送量も大きくなる。そこで転送量課金を減らしたかったというのが、最初の課題でした。それと当時、画像の重さによってはECサイト側では表示できない・表示に時間がかかる、というケースもありました。

そんなときに、CODE SHAREさん(前述のfifthの運営元)から「SmartJPEG」の紹介を受けました。いま持っている画像が10万~15万枚くらいなんですが、画像の数はコントロールできなくても、画像の重さはコントロールできる。月額料金と見込める効果から、トータルのサーバ費が安くなるという試算が出たので、導入に踏み切りました。検討開始したのが2019年9月で、11月には導入完了しました。

――SmartJPEGの組み込みに際して、苦労した点はありましたか?

水野氏:
画像処理専用インスタンスとして大きなサーバを1台用意して、SmartJPEGをインストールしました。そのように集約する形を最初から採用したので、導入は簡単でした。構築作業はほぼ1日でできました。バッチ処理で定期的に画像処理を行っていますので、時間が経てば、お客様側ECサイトには、最適化された画像が配信されるようになってます。

――SmartJPEGを導入いただいて、よかったことは何でしょうか?

水野氏:
一番の効用は、コスト削減を達成したことですね。20~30%は当社の運用コストが削減できている感じです。

そして、画像が軽くなることで、転送量が減り転送速度があがるので、お客様側ECサイトが高速に表示されるようになりました。あきらかに遅かったECサイトでも、体感が高速化した。インスタグラムの画像は不思議と重い印象がありますね。画像容量は40%~50%くらいに減ったと思います。

さらに将来的な戦略ではあるんですが、imstreamで画像ベースのデータ解析もやっていきたいと考えているんです。今後、画像の枚数が増えれば、そこでもコストメリットが出てくると思ってます。

――SmartJPEGでの画質についてはどういった設定で運用していますか?

水野氏:特に細かく設定しなくてもキレイだったので、デフォルトのままです。

時代の転換点に、新サービス投入で先鞭を付ける

――「imstream」に加え、「tagstream」、個人向けアプリと今後展開されるわけですが、将来的な計画について教えてください。

小林氏:
当社のメイン顧客企業はアパレル企業ですが、いまものすごく不景気になっています。売り上げが下がっているので、SNSを活用したい・ECに移行したいと思っている店舗も多いのですが、きっかけがありませんでした。しかし今回の新型コロナウイルスの出来事がターニングポイントになったと思います。SNSを使ったマーケティングに目を向ける企業もさらに増えました。今後Webプロモーションも転換点を迎えると思っています。

「tagstream」は、ツイッターにも対応しているので、キャンペーンサイトに画像を集めるといった用途を想定しています。EC関連機能はありませんが、手軽にスタートできるし、企業のブランディングなどに使えるので、広告代理店さん向けですね。

――売れるECサイトの新定番として今後、ますます発展していきそうですね。競合製品と思われるものもいくつかありますが、最後にメッセージがあればお願いします。

小林氏:
インスタグラムマーケティングツールという括りでいうと、imstreamの競合製品は「visumo」と「SmartHash」になるんでしょうが、実はそれほど意識はしていません。imstreamには“画像の解析”という強みがあるからです。

人軸と商品軸から画像のクリックを解析できる。どういう人だとどういう商品が売れるのか、人軸から売れるのか商品軸から売れるのか、そういった色んな視点でimstreamでは分析できる。インスタグラムでいいねされる画像が、ECサイトで売り上げをアップさせる画像とは限りません。“売れる画像”に近づけるためには、効果測定を行い、PDCAを回すのが大切だと思います。

――本日はお忙しいところありがとうございました。今後ともSmartJPEGをよろしくお願いいたします。

取材日:2020年4月17日
事例公開日:2020年6月25日
所属組織、業務内容、写真、インタビュー内容は取材当時のものです。