「イーコマースフェア 2019 東京」セミナーレポート:「売れる EC サイト」のトレンドに乗り遅れない! ~画像軽量化+ Web 動画ソリューション活用法を事例と共に~

ゲームで培った画像・動画のノウハウを、EC サイトでも

今回で 12 回目を迎える、国内最大級のイーコマース/通販ビジネスの一大イベント「イーコマースフェア 2019 東京」(主催:UBM ジャパン)が、2 月 7 日・8 日に東京ビッグサイトで開催された。今年も、出展社による製品・サービスの展示と、合計 50 超のセミナー講演が行われ、多くの来場者で賑わった。

2 月 7 日のセミナー『「売れる EC サイト」のトレンドに乗り遅れない!~画像軽量化+ Web 動画ソリューション活用法を事例と共に~』には、株式会社ウェブテクノロジ セールス・コミュニケーション部の三上夏代氏、CRI・ミドルウェア株式会社 インターネット事業部 部長の幅朝徳氏が登壇。“EC サイトでいかにコンテンツを活用し売上アップに結び付けるか”という観点から、画像軽量化ソリューション「SmartJPEG®」と動画ソリューション「LiveAct® PRO」について、実際の導入事例やその効果を交えつつ紹介した。

EC サイトの売り上げアップには、商品や企業自体のブランドイメージ向上、価格面での優位性、配送の速さ・便利さ、決済の手軽さ、クチコミなど、さまざまな施策が考えられる。インフラやシステムなど、効率化や合理化を進めるのも重要だが、「商品やブランドの魅力を伝え、お客様の『買いたい!」を刺激する画像・動画コンテンツを拡充しよう!」というのが、本セミナーの趣旨だ。なお、本記事では、主にウェブテクノロジ社の SmartJPEG について、取り上げることにする。

盛況なセミナーの様子

三上氏「短い時間でも視聴者の目に留まるコンテンツが重要」

まずウェブテクノロジ セールス・コミュニケーション部の三上夏代氏が登壇し、同社の成り立ちを紹介。ウェブテクノロジは映像処理技術を扱う会社としてスタートし、ゲーム業界で先端技術を培ってきた。会社概要を見ると、主要取引先として、カプコン、サイバーエージェント、スクウェア・エニックス、ソニー・インタラクティブエンタテインメント、任天堂、バンダイナムコエンターテインメントなど、錚々たる顔ぶれが並ぶ。

続いて三上氏は、NTT コム OMS による調査(2018 年 12 月)を引用。それによると「EC サイトを利用する際、決め手となった情報源」は「オンラインショッピングサイト内の情報」がほぼ半分を占めており、「クチコミ」や「メルマガ」の倍以上だったという。EC サイトにおけるコンテンツの重要性がわかる。

※参照元: 総合 EC サイト・アパレル EC サイト NPS ベンチマーク調査 2018| NTT コム オンライン
https://www.nttcoms.com/service/nps/report/ec/

EC サイト利用の主流は、すでに PC からスマートフォンに移っており、8 割以上のユーザーがスマートフォンでネットショッピングを楽しんでいる。スマートフォンの利用シーンは、「自宅でくつろいでいるとき」が 7 割ほど(73.7%)だが、「外出先での空き時間」(44.6%)、「電車やバスの移動時間」(36.3%)といった“スキマ時間”もあなどれないとのこと。つまり「短い時間でも、視聴者の目に留まるコンテンツ・商品の魅力を伝えるコンテンツが重要だ」と、三上氏は指摘した。

※参照元: スマートフォンにおける打消し表示に関する実態調査報告書|消費者庁
https://www.cao.go.jp/consumer/iinkai/2018/279/doc/20180705_shiryou1_2.pdf

魅力を伝える画像は「大きく・美しく・分かりやすく」

「短い時間でも、視聴者の目に留まるコンテンツ・商品の魅力を伝えるコンテンツ」として有効なのが、画像・動画だ。商品画像を多数配置することで、ユーザーは商品をイメージしやすくなる。商品に対する興味も高まる。EC サイトは画像ありきと言っても良い。

三上氏は「画像は大きく・美しく・分かりやすく」と述べつつ、以下の3点を具体的な目安として示した。

  • (1) 1 商品につき 5 枚~ 10 枚以上の画像を提供する
  • (2) 拡大にも耐えうるべく、最小 2000 × 2000 ピクセル以上を推奨
  • (3) 360 度画像使用で、より臨場感あふれる情報提供

動画コンテンツも同様だが、こちらは「メリハリをつけ効果的に使う」ことが重要とのこと。画像よりも世界観が伝わりやすいので、ブランディングに活用するのが良いだろう。

EC 売上ランキングの上位企業の多くが、すでに画像軽量化ソリューションを導入

一方で、コンテンツを充実させると、「サイトが重くなる」という課題が出てくる。綺麗な画像・綺麗な動画を多用すればするほど、ページが重くなり表示時間がかかってしまう。当然、訪問ユーザーの離脱につながってしまうので、これでは本末転倒だ。コンテンツ拡充とサイト過重対策は、セットで対応すべき施策なのだ。

そこで活躍するのが、画像軽量化ソリューション「SmartJPEG」と動画ソリューション「LiveAct PRO」だ。EC 売上ランキングの上位 50 位までの企業で、すでに 5 社が導入済み・15 社が検討中だという。

Web を軽く華やかにする「SmartJPEG」

SmartJPEG (スマートジェイペグ) | ウェブテクノロジ
https://www.webtech.co.jp/smartjpeg/

「SmartJPEG」は、画質は綺麗なまま画像ファイルを軽量化し、転送量やサーバーストレージにかかるコストを削減できるソリューションだ。画像にもよるが、見た目の変化はないまま、だいたい 7 割近く画像サイズを削減できる。対応する画像形式は、JPEG、PNG、アニメーション GIF、WebP を網羅している。

利用環境については、サーバー側で画像を全自動で軽量化する「SmartJPEG for Linux」「SmartJPEG for Windows」、Photoshop プラグインとしてローカルで操作する「SmartJPEG for Photoshop」、サーバーインストール不要な「SmartJPEG Cloud」など、さまざまなタイプが選択できる。なお「CDN との連携について聞かれることが多いが、もちろん可能」(三上氏)とのこと。

圧縮率は、段階的に選択可能だが、むやみに圧縮率をあげてしまうと、画像によっては綺麗さが損なわれてしまう。とくに JPEG では画像内容に合わせた圧縮が必要だ。三上氏は、「花火の写真」と「空の写真」を用意し、それぞれを比較しつつ圧縮例を紹介した。最適な圧縮率を選択することで、“キレイと軽いの両立”が可能となっているのが分かる。

「SmartJPEG」が優れているのは、こうした“高圧縮できる画像”“低圧縮すべき画像”を自動で判断してくれる点だ。従来サービスは一定の強度で圧縮してしまうものが多いし、自動モードでも今ひとつだったりするが、「SmartJPEG」ではゲーム時代からのさまざまなノウハウを積み重ねることで、お任せの状態でも、画像を最適化してくれるという。

EC サイトはもちろん、電子書籍サイトやニュースサイトも導入

実際の導入サイトをもとに検証した例では、画像容量を 45% に削減。サイトによっては 6% にまで削減できたという。ここまで極端ではなくても、だいたい 3 分の 1 から半分くらいにまで削減できるサイトがほとんどだった。

「SmartJPEG」を導入したある EC サイトでは、画像サイズは大きく美しいまま、画像データ容量 50% 削減、データ転送量 30% 削減、ページ表示速度 50% 向上という効果があったとのこと。電子書籍サイト、ニュースサイトでも導入実績があり、「コストダウンに繋がった(SmartJPEG for Linux導入企業)」「サーバー側をいじる必要がなく、導入しやすかった(SmartJPEG for Photoshop導入企業)」といった反応が寄せられている。

最後に三上氏は、「SmartJPEG はリリースされてからまだ 1 年半。お客様の声に寄り添いながら、利用形態を増やしたり、機能を増やしたりしてきました。引き続き皆さまのお役に立ちたいと思っていますので、よろしくお願いいたします」と講演を締めくくった。

記事公開日:2019年 4月 12日
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