大学で学生を教える立場になって、あらためて「叱る」という行為が、すごく無意味であるように思いはじめた。思えば、サラリーマンを30年もやっているが、私が上司から叱られた回数は軽く100回を超えると思う。だが、思い起こすにこれらの経験がサラリーマン田中圭一の成長の糧になったのか、少々疑問である。
上司が部下を叱る場面を何度となく見てきたが、必ずいくつかのお決まりフレーズがある。
「何度言ったらわかるんだ?」
「なぜ、こんな簡単なことができないんだ?」
「こんなことしたらダメだって、オレは前から言ってたよな?」
「やる気がないんだったらそう言ってくれ。他のヤツにまかせるから。」
・・・などなど、ミスした部下を追い詰めるフレーズが多いような気がする。それをもって「叱る」というのであれば、あえて問いたい、「何を目的として部下を叱るの?」と。
部下の能力をアップさせ、戦力になるように育てること。結果、組織全体を強力にしてミッションを高い精度で達成できるようにすること。・・・これが目的であれば、部下を無駄に追い詰めることは無意味どころか有害だ。 続きを読む