こんにちは。
OPTPiX SpriteStudio の開発を担当している遠藤です。
今回は近日リリース予定のOPTPiX SpriteStudio Ver.5.7のアップデート内容をご紹介します。
SpriteStudio ならではの機能強化を行ったエフェクト機能から見ていきましょう。
エフェクト機能の強化
1. プロファイル情報
1フレームの表示パーティクル数、再生区間の最大パーティクル表示数、アップデート時間が表示されます。右側に表示されているのはアップデート時間の変化を示すグラフです。
この機能によってどのタイミングで負荷がかかるのかを調べ、パラメータを調整することができます。また、再生環境に合わせてパーティクル数を制限するのにも役立つでしょう。
2. バージョン切り替え
5.6.1 以前のバージョンにおける再生状態を再現することができます。
新バージョンでも同様の表示結果になるよう、既存のデータを調整するために利用して下さい。
3. タイムスライダー
任意のフレームに移動して表示状態を確認することができます。
巻き戻しも可能です!
4. 表示スケール
エフェクトの表示倍率を指定します。
これまではセルマップおよびアニメーションをリサイズしてもエフェクトパーツのみ表示サイズは変わりませんでしたが、この数値を変更することで調整ができます。
※内部的にはパーティクルのX/Y移動量に掛けられます。
5. 無限に粒子を生成する
例えば着弾時の火花のようにワンショットで再生するものではなく、ずっと燃え続ける炎のように無限に再生させたいときに利用することができます。
6. 「進行方向に向ける」で任意の角度を指定可能に
例えば、画像が右を向いた矢印である場合、5.6.1 以下では矢が左に向かって飛んでいくことになりましたが、このパラメータに90度を指定し、上を向かせることで意図した通りになります。
7. ヘルプボタン
ヘルプセンターの関連ページをダイレクトに開くことができます。
その他の追加要素と改善点
1. パラメータの即時反映
これまでは停止するとエフェクトがリセットされたため、調整後、頭から再生する作業を繰り返す必要がありましたが、5.7 では表示したままリアルタイムに反映されるので調整がとても楽になります。
2. エフェクトアトリビュート
- 再生開始フレーム
エフェクトのタイムラインの途中から再生開始させることができます。
Unity のParticleSystem における Prewarm と同様のことが実現できます。 - 再生速度
再生速度を倍率で指定できます。 - 独立動作
またアニメーションのタイムラインとは独立してループするエフェクトを再生させることができます。
※プレイヤー上でのみ反映され、エディタ上では再現されません。
3. Unity プレイヤーとの互換性向上
Unity の時間管理の仕様に合わせてエフェクト生成の仕組みを根本から見直しました。
特にUnityで再生した場合に生じていたズレがなくなります。
4. 細かな変更点 (追記 2016/6/23)
1. 非表示キーについて
非表示キーのフレームに到達しても、エフェクトの再生はリセットせず、表示状態のみ変更するようになりました。
リセットさせるにはエフェクトアトリビュートのキーを作成してください。
2. 重力点について
重力点は、「指定の座標にパーティクルを集める機能」と定義し直し、それに特化する挙動に変更しました。それに伴い名称も「収束点」に改めました。
自動バックアップ機能
不測の事態に備えて定期的にバックアップを取る機能です。
※本バージョンでは試験機能として OPTPiX Labs メニューに含まれています。
- 定期バックアップ
一定時間ごとに未保存のファイルをプロジェクトごとに用意されたバックアップフォルダに保存します。 - クラッシュ時バックアップ
アクセス違反等の致命的な例外が発生した際に、未保存のファイルをバックアップフォルダに保存します。
対象プラットフォームの追加
サードパーティー製のSpriteStudio プレイヤー向けの設定を2点追加しました。
1つ目は、海外でメジャーなゲームエンジンである GameMaker: Studio 専用のプレイヤー TMC OPTPiX SpriteStudio API 向けの設定です。
2つ目は、RPGの制作に特化したRPGツクールMV専用のプレイヤー SSPlayer for RPGMV 向けの設定です。
いずれもエクスポートされたjsonファイルを利用するものです。
上記プレイヤーの対応に合わせて本バージョンでは json エクスポートに頂点変形の情報を出力するようにしました。
ユーザービリティの向上
- ヘルプボタンの追加
設定ウィンドウに追加された「ヘルプ」ボタンを押すと、表示中の内容を説明するヘルプセンターのページを開きます。
また、カーブエディタ、エフェクトエディタの右上に追加された「?」ボタンも同様に関連ページを開きます。 - その他
ヘルプメニューからいつでも「ログファイルを開く」ことができます。
また、クラッシュ時のウィンドウでは実行環境を含めた情報をテキストとしてコピーするボタンが追加されたため、ユーザーサポートへのお問い合わせ時の負担が軽減されます。
以上が、OPTPiX SpriteStudio 5.7 の主なアップデート内容です。現在7月上旬のリリースに向けてスタッフ一同がんばっております。どうぞお楽しみに!