「画像変換101」#3: JPEGを使う上での注意点

JPEGは、ダイレクトカラー画像およびグレースケール256階調をサポートしたフォーマットです。
デジタルカメラやスキャナーなど多くのPC周辺機器で採用されていますし、
ウェブサイトでも非常によく利用されていますので、非常になじみの深いフォーマットと言えます。

一般的な用途で写真画像を圧縮するには最適なフォーマットですが、決して万能ではありません。
(JEPG圧縮に関しての細かな内容は、後日に譲ります)

輪郭のはっきりした画像には向かない

JPEGは写真などの自然画像の保存には向いていますが、輪郭のはっきりしたイラストや
アニメ調の絵、画面キャプチャなどにはあまり向いていません。

特に圧縮率を高く設定して保存(ファイルサイズを小さく)した場合、画像の劣化が目立ちます。

JPEGは、「人間の目は色の変化よりも明るさの変化に敏感である」という特性を利用した
圧縮をおこなっています。

  • 画像中の明るさを優先的に保持し、色自体の変化は間引く
  • 高周波成分(画像中の細かな変化が該当)を削除している

そのため、圧縮率を高くすればするほど、色や明るさが急激に変化する部分が多い画像は
劣化が激しくなります。モスキートノイズやブロックノイズが目立つようになります。

ウェブページ内のサムネイル画像で使用する場合も、同様の現象が発生しやすくなります。

元画像を小さくする(サムネイルにする)ということは、色や明るさの急激な変化を
より狭い面積内で発生させることを意味しますので、画像内に大きな段差が
発生しやすくなります。

画像にテキストを重ね合わせてJPEGで保存した場合も同じ理由から、
ノイズが発生しやすくなります。

輪郭のはっきりした画像には、インデックスカラー画像(GIF、PNG など)が向いています。


[JPEGで高圧縮保存した場合:21.7KB]
文字の周囲にモスキートノイズ


[64色へ減色後、GIFで保存した場合:19.0KB]


[ブロックノイズの例:JPEGで保存]


[上の画像を400%に拡大] ブロック状のノイズ

元に戻せない

JPEGフォーマットを利用する上で、もう一つ「不可逆圧縮である」という点にも、注意が必要です。

JPEGは一度保存をすると必ず劣化(保存前の画像とデータが微妙に異なってしまう現象)が
発生します。JPEG画像を開いて上書き保存を実行するだけで劣化が発生してしまうのです。

「画像編集途中でJPEGで保存し、これを読み込んで編集再開」といった手順を踏んで
しまってはいけません。

画像編集をおこなう際は、JPEGではなく可逆圧縮フォーマット(PNG、BMP、PSDなど)を
利用するのがベストです。

最終的にJPEGフォーマットの画像を使用する場合は、完全に編集が完了してからJPEGで
保存する必要があります。

 

JPEGは非常に圧縮の効く(ファイルサイズが小さくなる)優れた画像圧縮フォーマットです。

しかし、上記のように画像の種類や使用方法によっては適さない場合もありますので、注意が必要です。


 
 

 

タグ , , | 2020/06/16 更新 |