田中圭一のゲームっぽい日常」カテゴリーアーカイブ

田中圭一のゲームっぽい日常 幽霊は絶対に存在してくれないと困る

「あなたは霊の存在を信じますか?」

ボクが子供のころ夏になると必ずテレビの心霊特集で、冒頭にこういうセリフが流れてきたものだ。禍々しい口調と共に。

52年も生きてきたが、ハッキリと霊の存在を確認できるような事件に一度も出くわしたことがない。 続きを読む

カテゴリー: 田中圭一のゲームっぽい日常 | タグ: | 2020/06/16 更新

田中圭一のゲームっぽい日常 マンガ家にとって「50歳」とはどういうことなのか

k1201410今年もあと残り3ヶ月を切ってしまった。ついこの間、年が明けたとばかり思ってたのに、だ。

さて、本題に入ろう。私は現在52歳。日本人男性の平均寿命が79歳なので、ざっくりと余命は27年もあるわけだ。…27年も?いや、27年しか残っていないワケだ。

特に、マンガ家という「精密な絵を描く仕事」「感性豊かな物語を作る仕事」「常に新しいトレンドを作り出す仕事」に従事する者としては、27年はちっとも長い時間ではない。

続きを読む

カテゴリー: 田中圭一のゲームっぽい日常 | タグ: | 2020/06/16 更新

田中圭一のゲームっぽい日常 絵だけで「味」を伝える高等テクニック

201409_k1宮崎駿監督のアニメに共通するポイントとして「出てくる料理がいつも美味しそう」というのがある。

アニメだから、劇中に出てくる料理の絵はいわゆる「セル画」だ。写真に比べると単調な色彩でのっぺりと塗られた絵になってしまう。

常識的に考えれば写真撮影した料理の方が、はるかに美味しそうに見えるはずだ。にもかかわらず、『天空の城ラピュタ』でパズーとシータが食べたパンに目玉焼きを乗せただけの料理、それもセル画に描かれた料理が、すごく美味しそうに見えるのだ。他の監督のアニメ作品では、これほど美味しそうには見えない。セル画で描かれたチープな料理にしか見えない。

(高畑勲監督の『アルプスの少女ハイジ』に出てくるチーズやパンはすごく美味しそうだったが、あの作品には宮崎駿さんがスタッフとして深く関わっているので、この場合宮崎作品に含むとさせていただきたい。)

さて、なぜ宮崎監督作品だけは食べ物が美味しそうに見えるのか?長い間、私はこの謎が解けずにいた。

ところが先日、とあるマンガ原作者にインタビューする機会があって、ついにその謎が解けたのだ。 続きを読む

カテゴリー: 田中圭一のゲームっぽい日常 | タグ: | 2020/06/16 更新

田中圭一のゲームっぽい日常 日本人はいつから「悔しがること」をやめたのか?

k1201408

ハリウッドが送り出すロボットや怪獣の映画を観て、特撮ファンたちが狂喜乱舞している。「トランスフォーマー」「パシフィック・リム」「ゴジラ」。どれもCGを駆使した存在感、巨大感が圧巻だ。

私は以前から日本の特撮について、CGが万能に使える時代に未だ着ぐるみとミニチュアで撮っているのはどうなのか?と感じていた。なので、ハリウッド怪獣映画を観て私は「そらみろ!日本人がノロノロしているうちにハリウッドに全部持っていかれちゃったじゃないか!」と奥歯をギリギリと鳴らしたのだ。

ところが、多くの日本人は「ありがとう!ハリウッド。ぼくら日本人の宝物をこんなに凄い映像に仕上げてくれて!」と絶賛している。

ちょっと待て!みんな悔しくないのか?本来なら日本人が作るべきだった映像だぞ? 続きを読む

カテゴリー: 田中圭一のゲームっぽい日常 | タグ: | 2020/06/16 更新

田中圭一のゲームっぽい日常 映画館でガッカリするサウンド

k1_201407

相変わらず今年も邦画で「人気マンガの実写映画化」が盛んだ。その中にあって、往年のヒットアニメ、ヒット特撮の劇場映画化が目立つ。

そこでちょっと気になっているのが「サウンドの扱い方」だ。特に、かつて耳になじんだ主題歌やBGMやSEを新作劇場版は、ことごとく変えてしまう。 続きを読む

カテゴリー: 田中圭一のゲームっぽい日常 | タグ: | 2020/06/16 更新