とあるインタビューで某有名マンガ家さんがこんなことを言っていた。
「自分の作品には度しがたいような悪人は出てこない。そんな悪いヤツは自分の作品世界にいて欲しくないからだ。」
この記事を読んで、ものすごく共感した覚えがある。
さて、大学でマンガを教える立場になって、その難しさを実感している。マンガに限らずフィクションとか創作は、作者のインナーワールドで展開される「究極の脳内遊び」なのである。多くの人が現実逃避の手段として「こうなったらいいのに」という願望から脳内でキャラクターやストーリーや設定を作り出す。これをアウトプットすることが「物語を作って発表する」という行為だ。
なので、基本的に物語は、第一に「自分を満足させるもの」であり、次の段階として「読む人・観る人を満足させるもの」になる。 続きを読む