【インタビュー】新人研修から生まれたプロジェクトでSpriteStudioを採用!「ABYSS MEMORY(アビスメモリー)」での採用事例

STEAMNintendo Switchにてリリースされるタイトル『ABYSS MEMORY』。
本作には、当社のOPTPiX SpriteStudioをご採用いただきました。
企画からデザイン、プログラム、実装までたった二人の新人さんが手掛けたという本作の制作に至るまでの過程やSpriteStudioの採用の理由をお伺いします。

  • インタビュイーの皆さん
    新井 俊晴(あらい としはる):新人研修プロジェクトのマネジメントを担当
    日野 蓮太(ひの れんた):2020年入社。プランナー兼デザイナ
    高崎 翔治(たかさき しょうじ):2020年入社。メインプログラマ

新人研修プロジェクトから生まれた「ABYSS MEMORY

――「ABYSS MEMORY」は新人研修から生まれたプロジェクトとお伺いしました。詳しくお聞かせください。

新井:バイキングでは、少人数でのゲーム開発を研修の一環とています。
2020年入社組は基本的にプランナー、プログラマ、デザイナの3名を1組とした合計6チーム。この中で社内発表会を経てとりわけ、「しっかりとしたコンセプトを感じる」として最終選考に選出されたのが日野、高崎チームの『AKMプロジェクト』です。新人研修作品ではあったものの、代表の目に留まり会社の名前でパブリッシングすることになりました。

左から新井氏、高崎氏、日野氏

左から新井氏、高崎氏、日野氏

日野:紆余曲折あって僕らのチームだけ高崎との2人だけですね。
※日野さん、高崎さんチームでは日野さんがデザイナとプランナの2つの役割を担っています。

――日野さん、高崎さんチームの企画のどういった点が評価されて最終選考に選ばれたのでしょうか?

新井:新人研修プロジェクトの企画発表会では、先輩社員を交えて、作品の講評が行われます。評価ポイントは、しっかりとしたコンセプトがあるか、他のチームの作品や既存製品との差別化、そしてキャッチ―なポイントがあるかどうか、などです。
各企画を吟味した上で、日野と高崎の作品が頭一つ抜けていたなと思っています。
グラフィックの雰囲気、絵面に惹きつけるものがあって良かったですね。

日野:ビジュアルは90年代のSF映画のポスターを参考にしてデザインしました。
あの時代のデザインは力強さがあるというか・・・。

元々は悪魔をモチーフとしたキャラクターを操作する企画だったため、「AKM(アクマ)プロジェクト」と命名。プロトタイプの操作キャラクターは天使の少女ではなく、真っ黒のモンスターであった。

元々は悪魔をモチーフとしたキャラクターを操作する企画だったため、「AKM(アクマ)プロジェクト」と命名。

開発途中版。このころはまだヒトツ目の主人公。これはこれで可愛かったが...

開発途中版。このころはまだヒトツ目の主人公。これはこれで可愛かったが…

――新人研修でのゲーム制作課題は毎年行っているのですか?

新井:そうですね、新人研修でゲーム制作というのは毎年実施しています。これまではプログラマのみのセクションでもう少し短い期間で行っていたのですが、彼らの代から各セクションでチームを組んでもう少し期間を設けてやってみようと。

――当初は半年ほどで製品化する計画が、1年に伸びたそうですね?

新井:プロジェクトしては当然、新人育成の目的で行われてはいますが、やはり最終的にパブリッシングするということは「バイキングという会社の看板を背負う」ということ。そうなるとクオリティには妥協したくないという思いは彼らだけではなく僕らにもあります。
もしかしたら彼らは早くプロジェクトを終わらせたいかもしれませんが、世に出す以上はクオリティに妥協せず胸を張れる品質に仕上げたいと思っています。

製品版のアビスメモリーのタイトル画面。主人公が可愛い女の子に!

製品版のアビスメモリーのタイトル画面。主人公が可愛い女の子に!

かわいい女の子になってもアニメーションはSpriteStudioで

かわいい女の子になってもアニメーションはSpriteStudioで

――プロトタイプから製品版にかけてのブラッシュアップのポイントを教えて頂けますか?

高崎:ゲームの手触りの良さを改善しました。
入社してすぐの頃は、キャラクターを誘導するラインを引く機能をうまく実装することが出来ませんでした。しっかりとしたラインでキャラクターを誘導したかったのですが、自分の技術的に線がとぎれとぎれになってしまって。時間をかければ実装できたかもしれませんが、残りの制作期間を考えて一旦保留にしました。
今回製品化するにあたって、時間を得ることが出来たのと、自分のプログラム技術も向上していたので、製品版ではなめらかな線が描けるようになっています。手触りの良さに面白さを感じるようになりました。

日野:時間が足りなかったというのは、僕らはゲームのデモを4つ作ったんですよ。

――4つも!?

日野:1ヶ月の間に4つデモを作って、どうしても面白い企画にならずどれもボツ、ボツ…にして、制作期間が残り2週間しか無くなってしまって…。
ボツにはしたけど各デモの面白い要素はすくい上げて、それぞれの要素を組み合わせることで最終的なプロトタイプが出来上がりました。

――それぞれのボツにした企画の経験も活きているわけですね。それにしても、エネルギーがありますね。

日野:まず、ゲームを制作するにあたって自分が何をどこまで出来るのか分からなくって。プログラマにもどういうことを頼めばどういうものが返ってくるのかも分からなかったんです。とにかく手探りで色々試すしかない。そうしながら高崎と相談して決めていきましたまず、ゲームを制作するにあたって自分が何をどこまで出来るのか分からなくって。プログラマにもどういうことを頼めばどういうものが返ってくるのかも分からなかったんです。とにかく手探りで色々試すしかない。そうしながら高崎と相談して決めていきました。

SpriteStudio導入に至るまで

――企画を形にするにあたって、まずどうやってSpriteStudioを見つけましたか?

日野:まずは一度片っ端から2Dアニメーション作成ソフトを調べて体験版を触ってみました。その中で操作のしやすさやUnreal Engineへの組み込みやすさ、デザイナからプログラマへの受け渡しのスムーズさなどからSpriteStudioを選びました。
専門学校時代に慣れ親しんだAdobe製品と触り心地が似ていることや、日本語ドキュメントの多さも後押しになりました。制作ではAfterEffectsの経験が生きたと思っています。

高崎:とにかく全体のワークフローがシンプルで分かりやすく、楽ですね。

――SpriteStudioを使ってアニメーション技術が上達してきた感じはしますか?

日野:そうですね、大体の使い方は掴めたのであとはテクニックを磨いていくところですね。

――プロトタイプの段階の1等身のキャラクターを人間のキャラクターに替えて再制作するだけでも、SpriteStudioに馴れてきた感じがしますね。なぜ大きくキャラクターを変更したのでしょうか?

日野:先輩方からのアドバイスで、ゲームの方向性はそのままに、世界観をより親しみやすい風に変えていこうと。やはり沢山の方に遊んで頂きたいので。

―― Unreal Engineを使うメリットの一つにBlueprintがあります。SpriteStudioUnreal EnginePlayerBlueprint上での使用を考慮した設計になっていますが、いかがでしたか?

高崎:そうですね、プラグインの導入するところからも、とりあえず入れれば動くという感じでしたので苦労はありませんでした。Blueprintとの相性もよく、すぐに動作確認が取れるので、2名とはいえチーム開発を円滑に進めることができました。
特に助かったのが、ヘルプセンターやGit hubに使用方法や問題の解決方法がまとまっていることです。この辺が広くカバーされて充実していたので、苦労がなかったのが大きいですね。ブログにも制作事例のメイキングが用意されていて事細かくフォローされています。

――制作時のコミュニケーションはどのように行っていましたか?

日野:テレワークの関係で、ほとんどオンラインでした。結果的にはうまくいきましたが、喧嘩も結構しました(笑)。

新井:デザイナ、プログラマの立場が違えば意見の衝突はありますよね。未経験者だったら特に。

――それも新人研修の一環だったのかもしれないですね。そして切磋琢磨しながら出来上がってきたものを先輩達がさらにアドバイスで導いていった形でしょうか。

新井:そうですね。彼らの企画の芯というか想いのところは残しつつ、やはりゲームを初めて触る人の気持ちになって、「チュートリアル必要だよね」ですとか、難易度の調整についてなど、バイキングとしての長年の経験を取り入れてもらいました。
ゲーム全体のバランスを整えて、ユーザーが「面白いね」と感じてもらえるようにするのが大事だと。とっつきやすいビジュアルから始まる一方で、終盤になるとやりごたえのあるステージもでてくる二面性もあり、オリジナリティのあるコンセプトだと思っています。
若いからこその新鮮さを感じています。

――今後作りたいゲームはありますか?

日野:バイキングといえばアクションに強いので、格闘ゲームなどを作ってみたいですね。

――その時はSpriteStudioで是非!

まとめ

――最後に、本作に関する告知や宣伝などがありましたらお願いします。

日野:初めての社会経験がいきなり自分のprojectを持つような貴重な経験をさせていただき会社にも感謝です。AbyssMemoryは過去の自分があったらいいなというゲームを形にできたかなと思っています。
配信者さんやVtuberさんもちろん一般のお客様にも是非あきらめずに最後までクリアしていただけたら嬉しいなと思います。
そして、こんな初めての連続の中でも導入から制作までスムーズに行えたSpriteStudioを使用してゲームを作る方が少しでも増えればいいなと思います。

高崎:今回のゲームは入社半年のメンバーが各個人の全力を出し切ったタイトルになったと思います。
ゲームエンジンをあまり入社前に触ってこなかった僕としてはゲームエンジンに更に要素を追加するSpriteStudioを使用することに反対はあったのですが、
SpriteStudioはとても簡単に使用でき僕らのゲームがとても綺麗なものになった欠かせない要素でした。
是非、AbyssMemoryで困っている天使を魔法の線で助けつつ、綺麗な世界を一緒に冒険してみてください!

新井:若いスタッフが全力で挑戦したタイトルですので、AbyssMemory是非ダウンロードして遊んでみてください!

――本日はありがとうございました!

今回は新人研修プロジェクトを通じてSpriteStudioのノウハウを社内に展開していく事例をご紹介しました。OPTPiX SpriteStudioは、アカデミックはもちろん、企業でのチャレンジングなプロジェクトを支援しています。まずは製品ページからお気軽にお問い合わせください。

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