
東京に出てきた大阪人は、よくこんなことを言います。「大阪のタコヤキは、たとえ駅前のしょぼい屋台でもレベルが高く、一方東京のタコヤキは、テナント店でもレベルが低い。」
大阪出身の私は、本当にそう思います。ただし、これは好みの問題なのかもしれません。東京のうどん出汁と大阪のうどん出汁の違いみたいなもので、それぞれの地域によって好みが分かれるだけなのかも…。
それはそれとして、大阪人である私は、タコヤキに関する限り東京で大阪の味に出会うことはとても少ないのです。本格的な関西うどんなら、東京でも食べることができます。なのに、タコヤキについては大阪風と謳っている店でも、本当の大阪風ではないのです。
この決定的な違いは、小麦粉と水の配合比率ではないかと思います。
東京のタコヤキは、身が締まっているというか、ホットケーキっぽい堅さであるのに対して、大阪のタコヤキは、形が保てるギリギリの柔らかさ、わらび餅くらいのプニョプニョ感が特徴です。大阪人である私は、子供の頃からフワフワでプニョプニョなのがタコヤキだと思っていたので、どうしても東京のプルンとしたタコヤキには違和感があるのです。
最近、最寄り駅の近くに「大阪で修行したタコヤキ屋」という看板を掲げているお店がオープンしました。期待せずにフラっと立ち寄って食べたところ、まさに大阪のタコヤキでした!柔らかさもさることながら、だし汁で溶いた小麦粉の味わい深さや、コンニャクの切れ端がタコと一緒に入っていて食感に彩りを加えていたりと、これぞ大阪のタコヤキや、って感じで感動しました。しばらく通い詰める予定です!