画像が補間拡大されるときに、透明部分のピクセルの色が不透明部分に混じり込む、「色もれ」を予防する加工を施すには、メインメニューから[フィルタ]-[透明境界の色もれ予防]を選びます。
前処理
色もれ予防の前に加工を行います。
アルファチャンネル2値化
アルファチャンネルに含まれる半透明の領域を、しきい値を設定して不透明と透明のいずれかに変換します。
[しきい値]の指定値以上を不透明に、未満を透明に変換します。
色もれ予防設定
色もれ予防の設定を行います。
RGBチャンネル拡張幅
色もれ予防の影響が及ぶ範囲を指定します。補間方法によっては、大きな値を指定しないと予防効果が発揮されないことがあります。
幅が1のときは、直線補間(バイリニア)による拡大時のみ、色もれ予防効果が効果を発揮します。幅を大きくすることで、縮小や3次補間(バイキュービック)・lanczos3などの「より広いサンプリングを必要とする補間」に対応するようになります。
アルファ値を考慮して拡張領域のRGB値を計算する
塗り色を求めるとき、要素となるピクセルのアルファ値を 合成比に用います。OFFのときは、すべての要素となるピクセルを均等に合成します。たとえば、赤の不透明(100%)のピクセルと青の半透明(50%) のピクセルが塗り色の要素となった場合、オプションがONのときは赤と青の比率が2:1となりますが、OFFのときは1:1となります。
他の完全透明領域のピクセルを塗り潰す
補間拡大時に他ピクセルに副作用を与えない、不透明ピクセルと隣接していない透明ピクセルの領域を指定の色に置換します。
全レイヤを処理
ONのときはすべてのレイヤに対して、OFFのときは編集中のレイヤのみに対して、処理を行います。
プレビュー
処理結果を先に表示して、確認することができます。[キャンセル]ボタンをクリックすると、イメージは元に戻ります。
このオプションがOFFのときは、[OK]ボタンをクリックするまで、処理結果を見ることはできません。
インデックスカラーイメージに対してこの処理を行うときは、プレビューができません。また処理後のイメージはダイレクトカラーに変換されます。
新規画像作成
処理結果を新しい編集ウィンドウで表示します。オプションがOFFのときは、編集中の画像が処理結果のものに置き換えられます。
色もれ予防の効果
以下のようなイメージを例にします。
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これに「色もれ予防」を施した画像と、そうでない画像を、補間拡大して白い背景に合成表示したとき、表示結果は以下のように変化します。
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この機能は、[RGBチャンネル拡張幅]が小さいときは直線補間拡大(バイリニア)に対してしか正しく機能しません。他のアルゴリズムが用いられた場合や、縮小処理を行うときは、処理幅を超えるピクセルのサンプリングが発生することがあるためです。他アルゴリズムや、縮小処理に用いる場合は、[RGBチャンネル拡張幅]を大きくする必要があります。