こんにちは。OPTPiX SpriteStudio の開発ディレクターの遠藤です。
今回の記事では、近日リリース予定の、 OPTPiX SpriteStudio の次期バージョン 5.5 をご紹介します。この Ver.5.5 では、非常に強力な新機能と多くの改善が施されています。早速順番に説明していきましょう。
新機能について
1. エフェクト作成機能
パーティクルと呼ばれる粒子をランダムに放出し、様々なエフェクトの表現を可能にするものです。これまでの SpriteStudio が苦手としていた動きのランダム性、細かいオブジェクトを大量に扱いやすくなります。
この エフェクト作成機能 では、一般的なパーティクル作成ツールが持つパラメータをおおむねサポート。作成したエフェクトは、これまでの SpriteStudio のパーツと同様にアニメーションの一部としてタイムライン上に配置することができます。
これにより、これまで別のツールで分担していた、或いはタイミング調整の分担作業がなくなり、SpriteStudio 単体で編集・調整できるようになります。
再生プログラムの対応予定について
作成したエフェクトデータを再生するプログラムは、初めにSpriteStudio 5 SDK で対応します。
その後、Unity、Cocos2d-x 等のプレイヤープログラムで順次対応していきます。
2. アニメーションGIF / 動画出力機能
作成したアニメーションを手軽に GIF ファイルで保存することができます。
SpriteStudio の再生環境がなくてもWebブラウザで再生できますので、Twitter などのSNSや、pixiv のような画像投稿サイトへのアップロードがとても手軽になるでしょう。
この アニメーションGIF、AVI 出力機能 はレンダリング機能の一部として追加されました。
①出力フォルダの指定
出力先のフォルダの指定の他、フォルダ名へのタイムスタンプの付与・アニメーション名の付与が追加されました。
②背景色の指定
これまで、連番PNGとして出力する場合、背景色はレイアウトの背景色を変更する必要がありました。
Ver.5.5 からは、このレンダリングメニューで指定することができます。
③出力形式の指定
既存の連番PNGとしての出力の他に、アニメーションGIF / AVI が追加されました。
改善内容について
1. セルの原点変更時のレイアウト維持
セルの原点を移動させたときに、該当のセルを参照しているすべてのパーツのX/Y座標を逆方向に移動させ、元の配置を維持する機能です。
これまでは、例えば PSDtoSS で作成したセルマップと配置済みのアニメーションを取り込んだあとに、原点調整を行うと、改めてパーツの配置を調整しなくてはいけなかったのですが、この作業が不要になります。
もちろん普段の編集過程で後から原点を調整する場合にも配置調整の手間が無くなります。
2. カーブエディタの操作性改善
ズームの挙動をより一般的なツールに近付けました。
マウスホイールによるズーム時はマウスカーソルの位置を基準にズームイン・アウトされます。
また、選択したキーの最大化や、全キーがウィンドウ内に収まるようズームアウトする機能を追加しました。
画像の右上の赤枠で囲んだボタンおよびショートカットキーで実行します。
カーブエディタを開いた時の表示範囲もフレームコントロールの表示範囲に同期されるので、これまでのようにキーの場所を見失うことが無くなるでしょう。
その他、よく使うアトリビュート切り替えボックスは左上に移動したり、不透明度アトリビュートで範囲外にハンドルを移動できるようになる、など細かい改良がなされています。
3. インスタンス、参照セルのリンク切れ対策の強化
これまでリンク切れに関連するお問い合わせが非常に多かったので、なるべくリンク切れしないよう対策しました。
例えば、以下のケースで問題が起こらないようになります。
- プロジェクトにインスタンスの参照先アニメが無い状態で保存したら、インスタンスパーツがNULLパーツに変換されてしまい、どれがインスタンスパーツだったか判らなくなってしまった!
→ NULLパーツに変換せず、いかなる状態でも参照先アニメの情報は維持されます。 - 参照セルの参照先セルマップがプロジェクトに無い状態で保存したら、無効化してしまった!
→ 無効化せず、いかなる状態でも参照先セルの情報は維持されます。
既に無効化した参照セルのキーをまとめて削除する機能も追加しました。(“参照先セルマップの変更”のオプションに追加) - うっかりプロジェクトからセルマップを除外したら、参照セルが全て無効化してしまった!
→ 除外したセルマップをSSにドロップすれば即座に再リンクされます。また、同じ基準フォルダ設定で作られたセルマップであれば、他のプロジェクトで作られたものでも簡単にリンクできます。
また、インスタンスの参照先ソースアニメがプロジェクトに存在しない場合はファイルの読み込み時に問題のデータの場所を報告する警告メッセージを出すようにしました。
以上、新機能と主な改善内容をご説明しました。
リリース時期について
7月半ばのリリースを目指して日々スタッフ一同がんばっております。
どうぞ楽しみにしていてください。
最後に、イベントでの出展告知です。7月に開催される Game Tools & Middleware Forum の小社セッションにて、この OPTPiX SpriteStudio Ver.5.5 をさらに掘り下げてご紹介いたします。 イベントは大阪と東京の2箇所で順次開催、参加費は無料です。
現在事前登録受付中ですので、是非ご来場ください。