開発担当の橋本孔明です。
先日開催されましたCEDEC2017の弊社ブースでは、画像最適化ツール「OPTPiX imésta」シリーズ最新版の「コンセプト プレビュー」を展示しました。これについて、今回こちらでも簡単ながら紹介したいと思います。
なお、今回ご紹介するプログラムの画面内容については、「コンセプト プレビュー」の名の通り、新バージョンの方向性を確認・紹介するためのデモ バージョンとなっており、ユーザー インターフェース要素の配置やデザインなどは、すべて仮のものとなっています。正式バージョンまでにはまだまだ多くの変更が入る見込みです。
さて、現在リリースしているOPTPiX iméstaシリーズ最新版のバージョン7までは、1997年にリリースされた「OPTPiX」およびその発展系である「OPTPiX iMageStudio」シリーズを継承したプログラム構造が続いていました。
このため、現在最新のWindows上での利用シーンにおいては、ユーザー インターフェースの外見や高DPI対応といった点で古さが見られたり、機能の強化にともなって操作性が煩雑になってくるといった問題も生じていました。
製品の中心となる「画像最適化」の各種機能および性能については、おかげさまで現在も高い評価をいただき、業界随一の水準を保っているものと思います。そこで、そういった画像最適化の機能・性能についてはそのまま(または強化)とし、主にユーザー インターフェース面を大幅に刷新した、まったく新しいバージョンを開発するプロジェクトが始動しました。
メイン画面
メイン画面です。昨今のトレンドに合わせ、ダークテーマのGUIを採用しました。
画像ドキュメントはタブビュー形式で表示されていますが、ウィンドウ外にドラッグすることで分離したり、メイン ウィンドウ内で並べて表示するといった、Microsoft Visual Studioなどに似たユーザー インターフェースを導入予定です。
なお、「OPTPiX imésta 8」とロゴが入っていますが、製品名およびバージョンは正式決定しておらず、コードネームとなります。
画像情報や全体表示といった要素に加え、見慣れない表示領域がいくつか追加されているかと思いますので、以下順次紹介していきます。
タイムライン&アクション方式(仮)の導入
新バージョンの大きな特徴のひとつが、タイムライン&アクション方式(仮)の導入となります。
画像を開いた後に画像処理や減色といった「アクション」を適用していくと、ドキュメント ウィンドウ下部の「タイムライン」エリアにその履歴が蓄積されていきます。
このタイムラインでは、以下のような柔軟な操作が行えます。
- タイムライン中の各アクション段階に自在に行き来が可能
- ドラッグでアクションの入れ替え
- 指定したアクションを動作パラメーターのみ弄って再実行
- 任意のアクションを個別削除
- タイムライン内容およびアクション個別でのファイルへの保存やコピー、あるいはファイルからのロードや貼り付け
途中のアクションが変化した場合には、以後のアクションは自動的に再実行されますので、常に最新の処理結果が得られます。
特にタイムラインのファイル入出力については、従来バージョンでは作成に複雑な操作が必要となっていた「マクロ」機能の代替としても活用できるようにしたいと考えています。
プレビュー画面の改良
処理による画像内容の変化を見やすくプレビューするという点についても改良を施しています。
左右分割・4分割(各倍率)などの分割表示に加え、単一ビュー上であっても、画像上に表示されているボーダーをドラッグすることで処理前・処理後の画像をダイナミックに切り替え表示できるモードを搭載しました。画像上の任意の場所で、減色やテクスチャー圧縮といった処理の処理前・処理後の変化具合を簡単に確認できます。
コマンドコンソール領域の新設
コマンド コンソール領域を新設しました。コマンド(部分入力での候補サジェスト表示付き)を打ち込むだけで搭載されている機能を直接呼び出すことができ、3D CADツールなどでも見られるプログラマティックな運用に対応します。
また、GUIでの操作も含め、実行した処理内容はコマンド名およびパラメーターと共に動作ログが表示されますので、それをコピペして再実行したり、よく使うパラメーターをメモして残しておくといったことも可能となります。
メニュー検索ボックスの追加
これまでのシリーズと同様、豊富な機能を搭載予定ですので、メニュー項目を覚えるのが大変になります。そこで新バージョンではメニュー検索ボックスを追加しました。サジェスト表示付きですので、部分的な名称だけでも必要な機能を検索、あるいは直接実行することができます。
簡易ファイラーとアセットマネジメント機能
新バージョンでは、簡易的ながらファイラーおよびアセットマネジメントの機能を搭載したいと考えています。フォルダ内のファイルをプレビュー付きで一覧し、一括処理などができるほか、複数のテクスチャーを1枚の画像にパッキングする機能も搭載を計画しています。
画面では確認できませんが、性能面ではこのほか以下のような改良を実現する予定です。
- 並列(マルチスレッド)動作による複数データ(ファイル・レイヤーなど)の一括処理に対応
- HDRなど、高ビット深度の画像データに対応
- フォルダ階層や配置情報を持ったレイヤー構造に対応
この新バージョンは、現在のところ正式名称も含めてまだまだ企画設計の段階となっていますが、製品としては2018年中のリリースを目標としています。
今後も進化を続ける、ウェブテクノロジのOPTPiXシリーズ製品にご期待ください。