ウェイト編集

このページはOPTPiX SpriteStudio Ver.6.5以降で実装されたウェイト編集の使い方を解説しています。

ウェイト編集は、メッシュパーツに割り振られた頂点ごとのウェイトを1点毎に設定していき、ボーンパーツの影響をユーザーが任意に設定する事が可能です。
腕のパーツについてボーンパーツを使用して関節部を曲げた際に、肘の部分が重なり合うようなケースについて綺麗に曲がるよう調整することができます。

ウェイト編集はメッシュ・ボーン機能のひとつです。メッシュ・ボーン機能については次のページをご確認ください。

目次

ウェイト編集とは

ウェイト編集により、どういった表現・調整が可能になるのか、ウェイト編集を使う場面や、ウェイト編集を使うことで可能になる表現について説明します。

ウェイト編集を行う場面

SpriteStudioのメッシュに対するウェイト設定は、基本的には自動ウェイト設定でウェイトを割り振りますが、自動ウェイトの場合大きく曲げた際思ったようにウェイトが追従せず、いびつな状態で画像が曲がってしまうことがあります
このような状況に陥ったときは、歪に変形した箇所のウェイトを手動で細かく設定していく必要があります。

自動ウェイト設定で割り振られた付け根 ウェイト編集でウェイトを調整した耳の付け根

ウェイト編集で可能になること

  • 自動設定でカバーしきれない画像の歪みを解消することか可能

ウェイト編集は上の項目のように自動ではカバーできない絵の歪みなどに対応することが出来ます。
ただし、ウェイト編集は絵の状況によりその都度値を調整する必要がありますので、全てを手動で行うには大変な労力が必要となりますので、自動でウェイトの配置を行った後に絵の歪みが発生する箇所のみ調整するとよいでしょう。

ウェイト編集ダイアログ

Setupデータを開きメッシュパーツを選択した状態で、レイアウトウィンドウのツールバーにあるウェイト編集 を押すとウェイトの編集が可能になります。ボタンを押すと次のようなウィンドウが開きます。

メッシュパーツ名 メッシュパーツの名称を変更します。
編集終了 ウェイト編集を終了します。
選択頂点ID

選択中の頂点、分割点のIDが表示されます。

IDはメッシュパーツに存在する頂点に割り振られた数字です。頂点を見分けるのに使用ください。

表示設定

頂点や分割点のウェイトグラフを ON/OFF します。

ONにすると、レイアウトウィンドウ上に表示されている頂点にウェイトグラフが表示されます。

頂点表示の大きさを指定します。

頂点表示サイズを変更する場合に切り替えてください。

数値入力

数値入力モードに切り替えます。

頂点や分割点について個々にウェイトの数値を入力するモードです。

ブラシペイント

ブラシペイントモードに切り替えます。

ブラシペイントはブラシサイズと濃度を設定し、なぞったところに色を付ける感覚でウェイトを設定するモードです。

モード

「数値入力」と「ブラシペイント」で表示が変わります。

各モードでの入力・制御をサポートする機能が表示されます。

ウェイトを再設定 選択した頂点、分割点に自動的にウェイトを割り振ります。
ウェイトを平均化 選択した頂点、分割点に影響しているボーンパーツに対し均等の値でウェイトを割り釣ります。
ウェイトをリセット 選択した頂点、分割点のウェイト値を初期値に戻します。

ウェイト編集の手順

自動でウェイトを設定する

メッシュパーツをボーンパーツのツリーに配置した場合、基本的に自動的にウェイトが設定されますが、アニメーション作成後のメッシュパーツ追加などではメッシュが割り振られないことがあります。

その場合は下記の手順でウェイトの設定を行ってください、

(Setupモードで”ウェイト表示”ボタンを押した際、メッシュパーツが黒1色の場合はウェイトが設定されていません)

1. Setupデータへ切り替えます。

ウェイト調整を行ないたいアニメーションの Setupデータ へ切り替えてください。

2. メッシュパーツと制御するボーンパーツを準備します。

ジョイントパーツの子パーツとして、メッシュパーツとボーンパーツが含まれている親子関係を構築してください。

3. ウェイトを設定します。

フレームコントロールでウェイトを割り当てたいメッシュパーツを選択し、レイアウトウィンドウのウェイトの再設定 ボタンを押します。

4. ウェイトの状態を確認します。

レイアウトウィンドウのウェイト表示 ボタンを押して、ウェイトの状態を表示します。ボーンパーツの色に合わせメッシュパーツがグラデーションのかかった状態になっていればウェイトが割り当てられた状態になっています。

 

ウェイトの編集

レイアウトウィンドウのツールバーにあるウェイト編集 ボタンを押します。ボタンを押すとウェイト編集ウィンドウが開きます。

ウェイトの設定方法は数値入力とブラシペイントの2通りの方法があります。

数値入力による設定方法

1. 数値入力モードにします。

「数値入力」のボタンを押します。

2. 頂点・分割点を選択します。

ウェイト編集を行う 頂点、分割点を選択します。

複数選択も可能です。(+クリックで複数選択、+ドラッグで範囲選択)

3. 影響させるボーンパーツを選択します。

選択した頂点、分割点に影響させるボーンパーツの選択を行います。
影響させたいボーンパーツ名の左にあるチェックボックスにチェックを入れます。

4. 値を設定します。

数値は選択した頂点に対しボーンパーツが何%影響するかを示します。数値入力の他、文字の上をマウスでドラッグすることでも数値が変化します。

現在値の数値が現在のウェイトの強度になります。選択状態で「ウェイトの再設定」、「ウェイトの平均化」を押すとチェックを付けたボーンパーツで100に割り切れるように再計算されるようになっています。

5. 設定する頂点を変更する。

ウィンドウ編集ダイアログを開いたまま、選択頂点を変更することが可能です。
レイアウトウィンドウで頂点を選択し直し、連続して編集を行ってください。全てのウェイト編集が完了したら「編集終了」のボタンを押してダイアログを閉じてください。

ブラシペイントによる設定方法

1. ブラシペイントモードにします。

すべての頂点や分割点に影響させたい場合は、「ブラシペイント」ボタンを押して開始します。
選択した頂点・分割点を編集したい場合は、「数値入力」ボタンを一度押し、頂点・分割点を選択後に「ブラシペイント」ボタンを押してください。

2. ブラシを作成する。

「モード:ブラシペイント」欄の「ブラシ編集」を押しブラシの作成をします。「ブラシ半径」はブラシの大きさ、「硬さ」はブラシのグラデーション範囲です。数値入力の他、文字の上をマウスでドラッグすることでも数値が変化します。値の設定ができましたら、名称を設定し「OK」ボタンを押して確定します。

 

3. ブラシを選択する。

モード:ブラシペイント 欄の右上で使用するブラシを選択します。左上の ボタンは影響を増やしていくブラシ、ボタンはウェイトを減らしていくブラシです。これを用途に合わせ選択して使い分けます。

4. 調整するボーンパーツを選択する。

青枠で選択されたボーンパーツのウェイトをブラシでペイントします。チェックボックスは編集される対象ボーンパーツになります。チェックを外すとそのボーンパーツの値を残し、チェックが入ったボーンパーツのウェイト(色)が塗り替えられます。

5. ウェイト(色)をペイントします。

レイアウトウィンドウでペイントを行います。丸は筆を表し、マウスやタブレットペンなどでなぞったところが(4)で選択したボーンパーツのウェイト(色)に塗り替えられます。

 

6. 設定する頂点を変更する。

ウィンドウ編集ダイアログを開いたまま、選択頂点を変更することが可能です。
レイアウトウィンドウで頂点を選択し直し、連続して編集を行ってください。全てのウェイト編集が完了したら「編集終了」のボタンを押してダイアログを閉じてください。

「数値入力」、「ブラシペイント」の設定方法には次にあげるメリットとデメリットがあります、状況に応じ使い分けをすると良いでしょう。

数値入力のメリット・デメリット
  • :細かい調整が可能です。
  • ×:一点一点を調整する必要がある為、調整に時間がかります。
ブラシペイントのメリット・デメリット
  • :色を塗る感覚で複数頂点のウェイトを設定できるため、時間短縮が期待できる。
  • ×:フリーハンドで設定を行うため、入り組んだ箇所などで細かな調整が難しい。

状況に応じ2つのモードを使い分けてください。

ウェイトの設定例

ウェイトを自動で割り振るのは大変便利です、ただし物体の生え際など動かしたくないところまで動いてしまうことがあります。
動かしたくない部分がある場合は、根本近くの1つのボーンパーツ以外のウェイトを完全に消すことで、パーツ同士の接続部を固定させる事が可能になります。

1. パーツの配置

通常の手順でメッシュパーツにボーンパーツを配置します。

2. 接続部にボーンパーツを追加配置します。

本体接続部に当たるラインにジョイントパーツから枝分かれしたボーンパーツを追加します。
追加することで本体から連なるボーンパーツの根本を動かした際にメッシュパーツの接続部分が動くのを避けることができます。

3. ウェイトを再設定します。

メッシュパーツを選択し、ウェイトの再設定 ボタンを押して追加したボーンパーツのウェイトを反映します。

4.接続部のウェイトを調整します。

追加したボーンパーツ(左では bone_4)を選択し、ペイントツールにより接続部分を塗りつぶします。

5. ウェイトの調整

ボーンパーツによるウェイトを示すグラデーションは均一になるのが理想です。必要に応じ、数値入力でウェイトの値を整えます。

6. 設定する頂点を変更しながら調整。

レイアウトウィンドウで選択頂点を変更し、連続して編集が行えます。全ての頂点について値が設定できたら「編集終了」のボタンを押してください。

※ウェイト設定時、自動ではなくボーンパーツの流れに沿って頂点や分割点を作成すると一手間はかかりますがより綺麗に曲げることができるようになります。魚の骨のようにボーンパーツの流れに合わせ整ったメッシュの割り方を心がけると良いでしょう。また最終調整は数値入力を使用して、細かい調整を行うことでより美しい動作も可能になります。

注意点

ウェイト編集を行ったメッシュパーツに「ウェイト再設定」、「メッシュ編集」を行うと、手動設定した値はリセットされます。ウェイト編集の再設定が必要になりますのでご注意ください。

関連ページ