透明境界の色漏れ予防

画像が補間拡大されるときに、透明部分のピクセルの色が不透明部分に混じり込むことを「色漏れ」といいます。画像の縁に意図しない黒い縁が表示される、汚れが確認される場合は「色漏れ」が発生している可能性が高いです。
「透明領域の色漏れ予防」機能を使用することで、色漏れを予防する加工を施すことが可能です。

本ページでは透明領域の色漏れ予防のダイアログについての解説と、色もれ予防の効果について説明します。

メインメニューの「イメージ」から「透明境界の色漏れ予防」を選択すると設定ダイアログが開きます。

 

 


色漏れについて具体例はこちらをご覧ください

設定

透明領域の色漏れ予防 ダイアログについて解説します。

前処理

色漏れ予防処理の前に行う加工について設定します。

アルファチャンネルの2値化

「しきい値」の指定値以上を不透明に、未満を透明に変換します。

アルファチャンネルに含まれる半透明の領域を、しきい値を設定して不透明(255)と透明(0)のいずれかに変換します。

RGBチャンネル拡張幅

色もれ予防の影響が及ぶ範囲を指定します。補間方法によっては、大きな値を指定しないと予防効果が発揮されないことがあります。

幅が1のときは、直線補間(バイリニア)による拡大時のみ、色もれ予防効果が効果を発揮します。幅を大きくすることで、縮小や3次補間(バイキュービック)・lanczos3などの「より広いサンプリングを必要とする補間」に対応するようになります。

アルファ値を考慮して拡張領域のRGB値を計算する

塗り色を求めるとき、要素となるピクセルのアルファ値を合成比に用います。
OFF(チェックを入れていない状態)のときは、すべての要素となるピクセルを均等に合成します。

たとえば、赤の不透明(100%)のピクセルと青の半透明(50%) のピクセルが塗り色の要素となった場合、オプションがONのときは赤と青の比率が2:1となりますが、OFFのときは1:1となります。

完全透明領域のピクセルを塗り潰す

ON(チェックを入れた状態)にすると、補間拡大時に他ピクセルに副作用を与えない、不透明ピクセルと隣接していない透明ピクセルの領域を、指定の色に置換します。

黒にする

指定の色を黒に設定します。

プレビュー

設定されたパラメータで実行した結果を、編集ウィンドウに表示します。

OK

現在選択している設定でアクションをタイムラインに登録します。

キャンセル

処理を行わず、ダイアログを閉じます。

色もれ予防の効果

以下のようなイメージを例にします。

tpborder_1
RGBチャンネル

tpborder_1a
アルファチャンネル(白が不透明)

これに「色もれ予防」を施した画像と、そうでない画像を、補間拡大して白い背景に合成表示したとき、表示結果は以下のように変化します。

tpborder_3
色もれ予防後に拡大

tpborder_2
色もれ予防なしで拡大
透明部の青色が輪郭に混じる

この機能は、[RGBチャンネル拡張幅]が小さいときは直線補間拡大(バイリニア)に対してしか正しく機能しません。

他のアルゴリズムが用いられた場合や、縮小処理を行うときは、処理幅を超えるピクセルのサンプリングが発生することがあるためです。他アルゴリズムや、縮小処理に用いる場合は、[RGBチャンネル拡張幅]を大きくする必要があります。

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