RGB565, RGB555形式の組み込み機器用画像の正しい作成方法(2)

前回の記事「RGB565, RGB555形式の組み込み機器用画像の正しい作成方法(1)」で、

実は、正規化にはもう一つ方式があって値が少し異なるのですが、それはまた後日、このブログで紹介しようと思っています。

と書きましたが、今回はそのもう一つの方式をご紹介します。

まずは、「RGB565, RGB555形式の組み込み機器用画像の正しい作成方法(1)」で解説した正規化方式を表1に再掲します。本記事では正規化方式1と呼ぶことにします。ビット演算を使って、正規化処理を行っています。

表1: 正規化方式1(整数演算方式)

表1: 正規化方式1(整数演算方式)

 

もう一つの方式(表2)では、実数演算を行って、正規化後の値を算出します。これを正規化方式2と呼ぶことにします。

表2: 正規化方式2(実数演算方式)

表2: 正規化方式2(実数演算方式)

RGB 5bitの場合、0~31までの数値で(RまたはGまたはBの)輝度を表現するわけですが、その32段階の輝度は、表2「画素の輝度」にあるような実数値(0.00%, 3.23%, 6.45%, …)になります(「RGB565, RGB555形式の組み込み機器用画像の正しい作成方法(1)」のグラフ1と合わせてご覧ください)。

この実数値に近いRGB 8bit値を求めてリストにしたのが表2の「8bit階調表現(正規化方式2)」です。表1の8bit値リストの数値と比べると、太字になった4箇所だけ異なった値になっています。

ただ、前回の記事「RGB565, RGB555形式の組み込み機器用画像の正しい作成方法(1)」の最後の項にも書いたとおり、正規化は、してもしなくても、実機での表示結果には変化がありません。

つまり正規化後の値として、このようなリストを示される場合があるかも知れませんが、表1の正規化方式1で画像を作成しても、表2の正規化方式2で作成しても、あるいは正規化を行わなかった場合でも、実機で表示される結果は同じです。正規化方式1と2では、PCでのプレビューで微妙に色味が変わることになりますが、誤差の範囲です。

なお、弊社のOPTPiX iméstaの正規化処理では、表1(正規化方式1)の8bit値を使用します。

参考までに、表1、表2を算出したExcelワークシートを公開いたします。計算式を見て頂ければ、より理解が深まるかと思います。

(小高)

タグ , , | 2020/06/16 更新 |