田中圭一のゲームっぽい日常 『おそ松さん』に見るアニメとマンガの大予言

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アニメ好きな人なら、昨今の『おそ松さん』の大ヒットはご存じかと思う。
主人公の六つ子は赤塚不二夫タッチを現代風にかわいらしくアレンジされたものの、けっしてイケメン美形キャラではない。にもかかわらず女性のアニメファンから絶大な人気を誇っている。

『おそ松さん』の六つ子たちは、成人してニートをやっているという設定なのだが、精神年齢は中学2年生くらいに見える。それぞれ性格の違う6人のニートが家の中でウダウダわいわいとじゃれ合ったりケンカしたり、そんな日常をほっこりしながらながめるのがファンの楽しみ方のようだ。ボクらの世代(昭和の白黒アニメでおそ松くんを見た世代)では最大のスターだったイヤミも、今回は完全に影が薄くなってしまっている。

さて、この『おそ松さん』の大ブームにそっくりなブームが15年ほど前にマンガ界に起こった。
マンガ『あずまんが大王』の大ヒットである。
『あずまんが大王』ブームと『おそ松さん』ブームの類似点を挙げてみると……

  • 等身の低い(デフォルメの効いた)かわいらしいキャラクターの群像劇。
  • 個性豊かなキャラクターたちの仕草や行動が作品の主な魅力。
  • 逆にストーリー性が弱く、ギャグマンガとしてオチも弱い。そこから、日常系と呼ばれている。
  • このキャラクターたちを、まるで箱庭に入れて眺めるように鑑賞するのがファンの楽しみ方。

箇条書きにしてみたら、『おそ松さん』を楽しんでいる女性ファンは、精神年齢14歳の六つ子たちを、まるで母親のような目線でその個性や行動を毎週確認してほっこりしている……こんな楽しみ方をしているというのが浮き彫りになってくる。

さて、前置きが長くなったが本題はここからだ。

2000年に大ヒットした『あずまんが大王』はその後アニメ化されて、さらにブームは拡大。『あずまんが大王』的な4コマばかりを集めた雑誌「もえよん」(双葉社)「まんがタイムきらら」(芳文社)が創刊され、『ひだまりスケッチ』『らき☆すた』『けいおん!』などの大ヒット作品が生まれ、今や巨大なジャンルに成長した。シーズン毎に、このジャンルの深夜アニメが2~3作品、今でも必ずある。

さてさて、この事実から見えてくるアニメ・マンガの未来はどんなものであろう。

田中の予言1

『おそ松さん』が女性向けの『あずまんが大王』であるのなら、今後「萌えショタ兄弟マンガ・アニメ」が次々と作られ、そこから次なる大ヒット作が生まれ、これらは必ずジャンル化され「おそ松系」と呼ばれるだろう。

田中の予言2

アニメ『けいおん!』は、『あずまんが大王」が終わってしまった「あずまんがロス」で「萌え4コマ」に飢えきっていたファンに、バンド・歌・アイドルという芳ばしいトッピングをほどこし、アニメ化されるや、演奏とか歌唱シーンのクオリティーの高さが相まって大ヒットとなった。

そして、これが『THE IDOLM@STER』『ラブライブ!』などのアイドルアニメの隆盛にまで発展したのだ。なので、必ずダメニートキャラによるバンド(または売れないアイドルグループ)という『けいおん!』的な「おそ松系マンガ・アニメ」が登場するだろう。

田中の予言3

やがて「おそ松系マンガ」を集めた新雑誌「まんがタイムぶらら」がどこかの出版社から創刊される!

その雑誌で連載されるであろう作品例

  • ウィーン少年合唱団をテーマにしたダメダメおそ松的団員たちによるドタバタ
  • おそ松系だが、もっと耽美でホモ系に寄ったギャグ(魔夜峰央風味)
  • ダメダメ自衛隊員を描いたミリタリーおそ松系ギャグマンガ
  • ダメバンド、ダメ劇団員などの設定でおそ松系
  • ダメ部活の部員によるおそ松系・・・かと思いきや、後半は熱血スポ根展開になる、意外性ギャグマンガ
  • ジャニーズ的なアイドル事務所で腐っているダメダメアイドル予備軍によるおそ松系ギャグ
  • 保育園のダメ幼児たちを面倒見る保母さんが主人公(むしろ、男の子版よつばと!か?)
  • ダメダメ商店街の二代目ニートたち(店は手伝わないで遊んでばかり)によるおそ松系ギャグ

こう考えると数年前の『ヘタリア』のヒットは、この大ウェーブの前哨戦だったのかもしれない。

 

……ということで、みなさん、数年後にこのコラムを見直して、どれだけ予言が当たったか検証していただきたい。

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