田中圭一のゲームっぽい日常 一度ハマると無間地獄

田中圭一のゲームっぽい日常 一度ハマると無間地獄私はレトルトカレーが好きではありませんでした。鍋で煮るカレーとは違う「レトルト特有の妙な香り」が苦手だったのです。

ところが今年のバレンタインデーに、プレゼントとして友人からレトルトカレーが送られて来たのでした。苦手とはいえ、食べずにホワイトデーのお返しをするのも失礼だと思い、渋々食べることにしました。
・・・・・すると意外や意外、ビックリするほど美味かったのです。そのカレーが。

今まで私が抱いていた「ニセモノ臭さ」がまるでないレストランの高級カレーそのものでした。長い年月、苦手としている間にレトルトカレーは大きな進化を遂げていて、鍋で煮るカレーと遜色ない美味さになっていたのです。

あまりに美味しかったので私は「もっと美味いレトルトカレーだってあるに違いない!」と確信し、さらに美味しそうなレトルトの「インド風チキンバターカリー」を買って食べてみることにしました。
すると、想像を遙かに超えた美味しさだったのです!

すぐさまスーパーへ行き、私はありとあらゆるレトルトカレーを買いました。その数、16種類!さぁ、これから毎日ひとつずつ食べていこう!あぁ!日々の楽しみが増えた!
・・・・・・・・・と、思ったのですが・・・

翌日のカレーは「・・・あれ?ちっとも美味しくない。昔食べたイヤな感じのレトルトカレーだ。まぁ、失敗もあるさ。明日に期待しよう。」
翌々日のカレーは「・・・あれ?またしてもレトルト特有のいやな香りだ。しょーがない、明日に期待しよう!」
翌々々日のカレーは「・・・あれ?全然ダメじゃん。レトルトのダメな所が全部揃っているサイテーなカレーじゃん。明日に期待。」
翌々々々日のカレーは「・・・イヤだ。不味い。こういうレトルトカレーはダメだ!明日に期待。」

どうしたことか最初の2食は大当たりだったのに、それ以降外ればかり。それでも毎日「明日こそは!」と期待をかけてレトルトカレーを食べる日々。

なんだろう、このエンドレス地獄の日々は。
そう、これはまるでパチンコにハマったときと同じだ。

ある日時間つぶしのためにフラっと入ったパチンコ屋で大もうけしてしまい、翌日から毎日パチンコ屋通い。負けても負けても「あの日大もうけできたのだから、明日こそはきっと。」・・・と、破産に向かってまっしぐら。

たった2種類の極上レトルトカレーに連続して当たったために、それ以外のダメなレトルトカレーを16種類も食べるハメになってしまったのです。

ということで、再び「レトルトカレーは苦手」という元のポジションに戻ることができました。めでたしめでたし。・・・めでたいのか?

タグ | 2020/06/16 更新 |