田中圭一のゲームっぽい日常 映画館でガッカリするサウンド

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相変わらず今年も邦画で「人気マンガの実写映画化」が盛んだ。その中にあって、往年のヒットアニメ、ヒット特撮の劇場映画化が目立つ。

そこでちょっと気になっているのが「サウンドの扱い方」だ。特に、かつて耳になじんだ主題歌やBGMやSEを新作劇場版は、ことごとく変えてしまう。

ミュージシャンとのタイアップや新規ファン獲得のためなど、目的があってのことなんだと思うものの、やはり「あの主題歌、あのBGM、あの効果音」が変えられてしまうのは旧作ファンにとって、じつにガッカリな仕様なのだ。

過去、いくつかの作品で主題歌を変えずにキープしてくれたものがあった。

2009年の劇場版アニメ「ヤッターマン」のでは山本まさゆき氏の歌うテーマソングが劇中で挿入歌として使われ往年のファンを楽しませてくれた。2004年の「キューティーハニー」も主題歌は旧作(アニメ版)をアレンジは変えたものの引き継いでくれた。2011年の「電人ザボーガー」では、主題歌だけでなくSEも、旧作(TVシリーズ)と同じものにしてくれた。今年上映された「人造人間キカイダー」のリメイク版、「キカイダーREBOOT」でも主題歌がアレンジされて使われた。

ただ、上記の例を除くと、サウンドの継承をやってくれた作品は私が知る限りほとんど見当たらない

TVシリーズだが、昨年放映された「宇宙戦艦ヤマト」のリメイクアニメ「宇宙戦艦ヤマト2199」では、主題歌、BGM、SEすべてが旧作のものを使った。これを観て私はこう思った。人は常に最新の映像を求めるが、音に関しては保守的で、昔の音の方が安心できるものなのだ。

劇場新作の「ルパン三世」が、旧来のあの名曲を変えてしまったのは、とても残念なことじゃないかと思うのだ。

タグ | 2020/06/16 更新 |