Version 7.2.0 リリースノート (2024/04/03)

概要

本アップデートでは、優先度編集ツール、UIレスポンスの高速化、セルの自動生成、パーツツリーの独立ビュー、整列機能などこれまでユーザーの皆様から頂いた多数の要望と改善が適用されています。

目次

  1. 新機能
    1. 優先度の簡単編集
    2. セルの自動展開
    3. セルの結合
    4. 座標の整列
    5. ssaxエクスポート
  2. 機能追加
    1. カーブエディタ:選択範囲のキースケール
    2. 頂点変形:絶対値の入力に対応
    3. シグナルの編集:ウィンドウのコンパクト化と履歴ウィンドウ
    4. その他
  3. UIの改善
    1. 全般:レスポンスの高速化
    2. パーツツリー:新規UI
    3. レイアウト:優先度フィルター・頂点のスナップ・移動専用モード、他
    4. アトリビュート:複数パーツに対する相対値入力・四則演算・表示項目の最適化
    5. シーケンスエディタ:操作ステップ削減と一覧性向上
    6. セルリスト:グリッド表示、キー追加ボタン、複数セルのドラッグ移動、他
    7. その他
  4. 動作仕様の改善
    1. レンダリングの設定に関する問題を改善
    2. その他
  5. 不具合の修正

新機能

優先度の簡単編集

パーツの描画順序をドラッグ&ドロップなどで直感的に変更できる機能を追加しました。

新たに追加されたパーツツリーの優先度ビューではドラッグ&ドロップで入れ替えができます。

優先度の編集ダイアログでパーツの並び順で優先度を振っていったり、既に振ってある優先度の間隔を広げたり、といったこともできます。

すべての優先度キーを入れ替えますので、値が途中で入れ替わるケースにも対応しています。

セルの自動展開

アトラス画像からパーツとなる画像を切り出して、セルとして自動登録する機能です。
任意の間隔で切り出すか、画像の輪郭を自動認識して展開することができます。
手動で作成したセルとの共存も可能です。

セルの結合

隣接するセルを結合できます。
セルリストで複数のセルを選択した状態で右クリックから「結合」を選択します。

または選択したセルをドラッグ開始し、Ctrlキーを押しながら結合先のセルにドロップすることでも結合できます。

座標の整列

選択したパーツ、メッシュパーツの頂点を上下、左右、中央などに揃えられます。
座標を数値で指定して揃えることもできます。

ssaxエクスポート

SpriteStudio の Ver.4 ~ Ver.5 で出力した .ssax ファイル互換のデータをエクスポートする機能を追加しました。

「バージョンを指定してエクスポート」から実行する方法とCLIから実行する方法の2つがあります。
※後者の指定方法は別途ヘルプセンターに公開予定です。

機能追加

カーブエディタ:選択範囲にあるキーの時間、値をスケール

複数のキーを選択した状態でバウンディングボックスの縁をドラッグすると選択した範囲内でキーの時間、値を拡大縮小できます。

Ctrlキー+左クリックで選択キーを追加・除外します。
選択範囲をドラッグで反転するとキーの位置も反転します。

レンダリング:スプライトシート(SSCE)出力

アニメーションの全フレームを1枚のテクスチャに並べるスプライトシートの出力に対応しました。

シートの情報はSpriteStudioのセルマップ(.ssce)とアニメーション(.ssae)にとして出力されます。
これをプロジェクトに追加することも出来ます。
1フレームの絵全体が1セルになるため全体を半透明化してもパーツの重なり部分で背後のパーツが透ける問題が無く、パーツカラー、シェーダーを全体にかけることもできます。
また特定のゲームエンジン向けの SpriteStudioPlayer が対応していない機能をエンジン上で再現することもできます。
ご注意:テクスチャのサイズはレンダリングのピクセルサイズとフレーム数に比例して肥大化するため小規模なアニメーションに適します。

セルマップ:α・RGBチャンネルの独立表示

アルファチャンネルのみ、RGBチャンネルのみ表示するモードに対応しました。

頂点変形:絶対値の入力に対応

従来の相対値の他、絶対値による入力を追加しました。
ウィンドウ左下の「絶対座標」にチェックを入れます。

シグナルの編集:ウィンドウのコンパクト化と履歴ウィンドウ

シグナルの編集ウィンドウがコンパクトになり、右パネルに常時アクティブコマンドの情報が表示されるため、別途編集ウィンドウを開く必要が無くなりました。

また、シグナル履歴ウィンドウが追加され、このUIから過去に設定したシグナルのキーをパーツに設定したり、逆にパーツ(アニメーション全体)からシグナル情報を取得することもできます。

履歴をファイルに保存したり、読み込んだりすることもできます。

ガイドライン:全アニメへの適用、ファイルへの保存・読み込みに対応

現在の設定を全アニメーションに適用、ファイルに保存、ファイルから読み込み、を追加しました。
プロジェクト間の共有が楽になります。
ルーラー上の右クリックメニューからアクセスできます。

描画モードに新しい乗算、スクリーンを追加

不透明度の指定が機能するようになった「乗算」「スクリーン」および「除算」「オーバーレイ」を追加しました。
従来互換のものは「v6互換」と表示されます。

ご注意:7.2.0 時点では再生対象プラットーフォームにデフォルト・カスタム・SS7 Rendering を選択した場合のみ有効になります。
Unity などの各種プレイヤー対応は順次対応予定です。

その他

メッシュ編集

  • 自動メッシュ生成:外周の頂点のみ生成し、分割点を生成しないオプションを追加しました。

アニメーション編集

  • フレームの値をキーとしてコピーする機能を追加
    下記の動画では15フレームの補間値をコピーして、25フレームにキーとしてペーストしています。 「ショートカットキーの編集」から「フレーム値をキーとしてコピー」コマンドに任意のキーを割り当てて使用します。
  • アトリビュート値の変更時、選択範囲の先頭・末尾フレームのみにキーを作るオプションを追加
    • 環境設定 → フレームコントロール 「選択範囲の先頭、末尾フレームにのみキーを作成、または値変更する」にチェックを入れると下記の動作になります。
    • フレームコントロールのチャートで範囲選択した状態で、アトリビュートウィンドウで値を変更した場合、選択範囲の先頭、末尾のフレームにあるキーのみ値を変更します。キーがない場合は指定した値を持つキーを作成します。(値設定時にキーを作るオプション次第)
    • 矩形選択ではなく、穴開き選択の場合、各行の先頭、末尾ではなく全体で最も左、および右のフレームのみ対象になります。
  • スケール・回転・アトリビュート値全般の値を一括リセットするコマンドを追加
    • キー編集ツール → ウィンドウコマンド → フレームコントロール/レイアウトウィンドウで指定します。

UI改善

レスポンスの高速化

  • アニメ編集操作時のレスポンスを大幅に改善しました。再生時のレイアウトウィンドウのFPSも向上しています。
    • 注意:Windows版の特定の環境(AMDの旧いGPUで確認)では最大化か、メインウィンドウの左上の位置がデスクトップの左上にある時のみ改善した速度で動作する制限があります。
  • プロジェクト読み込み後の待ち時間が大幅に短縮されました。

パーツツリー

パーツのツリーのみを表示するウィンドウを追加しました。
縦長表示してもスペースを取らず一覧性が向上します。
優先度順に表示するモードも追加しました。

レイアウト

  • 優先度フィルター(描画する優先度の設定)
    • 優先度の値が特定の範囲内にあるパーツのみ表示する機能です。
    • ツールバーからアクセスできます。
    • 複数の優先度範囲を登録しておき、ロックアイコンで個別に有効/無効を切り替えることができます。
  • 子パーツのZ軸回転の維持
    • 「子パーツの追従」がオフの状態でZ軸回転を変更した場合、子パーツには逆方向に回転するキーを追加し、見かけ上の状態を維持するようにしました。
  • 頂点のスナップ
    • グリッド、ガイドラインのスナップは頂点変形とメッシュパーツの頂点ドラッグでも有効になりました。
  • 移動専用モード
    • H キーを押している間はスケール・回転ハンドルが消えて移動のみ可能になります。
      ※キーの割り当てはキー編集ツールで変更できます。
  • 拡大率の最大値を増加
    • 環境設定 → レイアウト → で指定できる拡大率の最大値を3200%に増加しました。
  • ショートカットキーの追加
    • 座標、回転、スケールの値を増減するコマンドを追加しました。
  • ハンドルの当たり判定を改善しました。

アトリビュート

複数パーツに対する相対値入力

複数のパーツを選択した状態で、値を変更する操作を行うと各パーツの現在値に対して移動量、ステップが相対値として適用されます。

複数のパーツを選択した状態で下記の操作を行うと相対値として適用されます。

  1. ラベル上で左ドラッグ
  2. マウスホイール
  3. スピンボタンの押下
  4. ↑↓ キーの押下
  5. 数字の前に ++ — ** // を付けて入力。(EnterキーまたはESCキーによるフォーカスアウトで適用)

四則演算

数値入力ボックスに 1+2 のように入力すると演算が行われ、結果が絶対値として各パーツに同じ値が適用されます。
+ - * / に対応しています。

その他

  • 利用できないアトリビュートはグレー化ではなく表示自体を省略し、一覧できる項目を増加。
  • アクティブアトリビュートを変えた時にカーブエディタ・フレームコントロール側のアクティブも連動させるオプションを追加
    • 変更場所:環境設定 → UI → アトリビュート → アクティブアトリビュートが変わった時の動作
  • パーツ情報:エフェクト:選択エフェクト選択エフェクトを編集を1行に統合

シーケンスエディタ

シーケンス編集の操作ステップを削減し、一覧性を向上させました。
具体的には1つのシーケンスファイルの編集を1つのウィンドウ内で行えるようになりました。
またシーケンスエディタとシーケンスアニメーションエディタが統合され、アニメーションの追加も隣接するリストを変更することで実行できます。

セルマップ

  • 複数のセルを選択している場合、各セルの枠を表示するようにしました。

セルリスト

  • グリッド表示に対応しました。
  • キー作成ボタンを追加しました。
    選択しているセルの参照セルキーをカレントフレームに作成します。
  • 複数選択したセルのドラッグ移動に対応しました。
  • セル名の先頭文字入力によるジャンプは2文字以上の一致に対応しました。
    A1, A2, A3 というセルがあった場合、A3 と入力するとA3に飛びます。

フレームコントロール

Shift キーを押しながら可視・ロックアイコン上を左クリックした場合、クリックしたパーツまでの可視・ロック状態を一括で変更するようにしました。

その他

  • 補間方法ダイアログ:コンパクト&ポップアップ化でOKボタンを不要化。
  • メッシュパーツの追加、コピペの制限の解除で操作の手数を削減。
  • その他:ショートカットキーで縦一列にキー追加&コピペなどが可能に。
  • キー編集ツール:カテゴリーのアイテムの初期状態を折り畳んだ状態に変更。

動作の改善

  • レンダリングの設定保存と復帰の動作を改善しました。
    • 出力先フォルダはプロジェクトではなくユーザーのローカルファイルとして保存するように変更
    • 出力先フォルダに「subfolder」「./subfolder」などと入力した場合、現在開いている sspj ファイルのフォルダ位置を基準に出力
    • レンダリングを開いた時の設定は最後に閉じた時の設定を復帰。(アプリ終了後も記憶)
    • 「出力」ボタンを押さずに閉じた場合も変更を適用
    • 「設定をリセット」ボタンで出荷時状態に復帰
    • 「デフォルト設定~」は「バックアップ設定~」に名称変更
  • シーケンス再生時に先頭のアニメーションのガイドラインを表示するようにしました。
  • シグナルの編集:値を表示する条件はカレントにキーフレームがある場合のみとしました。

その他

  • バージョン指定エクスポート:v7 未満を指定した場合、少数の精度をv5~6互換にしました。
  • TexturePackerToSS v1.3 で出力したトリミングおよび90度回転されたセルの表示に対応しました。
  • プロジェクト設定:一般 → その他 → 「パーツ作成時にキーに設定されるアトリビュート」で参照セルを選択できるようにしました。

不具合修正

  • ショートカットキー:フレームコントロールの拡大、縮小コマンドが動作しない。
  • ショートカットキー:レイアウトのズームリセットを指定できない。
  • 環境:サブモニタ側にSpriteStudioウィンドウがある状態で終了し、サブモニタを切断後、起動するとSpriteStudioに触れず実質フリーズ状態となる。
  • フレームコントロール:ツリー上で選択パーツの上でCtrlキー+右クリックでクラッシュする。
  • カーブエディタ:カーブにマウスカーソルをホバーした状態でプロジェクトを読み替えるとアクセス違反を起こす
  • カーブエディタ:コンテキストメニューを表示するとスクロール位置がリセットされる。
  • セルリスト:Undo/Redo後に選択していたセルがアクティブにならない。
  • セルリスト:キー押下で先頭文字が一致するセルにジャンプしない。
  • 編集全般:ロックしているパーツに対してキーの新規作成フラグがオンの状態でアトリビュート値を変更するとクラッシュすることがある。