田中圭一のゲームっぽい日常 夢のオタクシルバー産業

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オタクの第一世代は1955年〜1960年生まれくらいだろうから、そろそろ還暦を迎える人も出始めているはず。高齢化社会を迎える日本にあって、シルバー産業がオタク産業とくっつく日は、そう遠くない。推測だが、オタクな人たちの独身率は、一般のそれより高いと思うので、老後の介護や医療、そして死に関する問題はより切実なのではないかと思う。

こうしたシルバーオタクにむけたあらたなビジネスが、今後大きな市場を形成するのではないかと考えている。

そのひとつは「テーマパーク型オタク向け介護施設」である。マンガやアニメや特撮の豊富な映像ライブラリを取り揃えるのは当然として、同人誌制作ルーム、同人アニメ・同人ゲーム制作設備が充実し、同人誌即売会やコスプレイベントも頻繁に行われる。もちろん職員は全員コスプレだ。

そんな介護施設が登場する日も近いと考えている。しかもそれはさらに細分化され、例えば「ガンダム養老院」といった、ワンテーマの介護施設の登場もあり得る。連邦棟とジオン棟とに別れた二つの建物があり、もちろんそれぞれの職員用制服(軍服)もちゃんとある。ジオン棟で亡くなった方への葬儀には、声優の銀河万丈さんがギレン演説風の弔辞を宣べてくれる。「○○は死んだ!なぜだ!!」みたいな。

ちなみに、これらの「オタク向け介護施設」、つくば市に作るといいのではないかと思う。自然環境もいいうえに、秋葉原まで電車で一本だからだ。

さて、もうひとつのビジネスは、ある程度まとまった財産を持った人むけに、アニメ制作会社がオンデマンドで作ってくれる「葬儀オープニングアニメ」だ。生前にスタッフと打ち合わせして、自分が大好きなアニメのヒロイン(ヒーロー)に手をひかれて天国への階段を昇っていく、といった短いアニメーションを作っておく。キャラクターデザインは誰がいいとか、作画監督は誰がいいとか、声優は誰がいいとか、BGMは誰がいいとか、金額次第でお望みのままだ。長編アニメーションと違って、1分程度であれば個人の資産でも製作出来ないことはないと思う。
これ、アニメ産業の先行きを考えても、素晴らしいビジネスモデルなんじゃないかと思っているのだが。

とまあ、こんな感じでボクらオタク族は、きっと死の間際までぶれることなくオタクなのだろうな、としみじみ思う。

タグ , | 2020/06/16 更新 |