田中圭一のゲームっぽい日常 着地しないヘッドホン

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移動中に音楽を聴く習慣は多くの人が持っている。
かつてはウォークマンのような専用機器が主流だったが、最近はスマートフォンを使っている人が大半だ。
ハードは移り変われど、音楽を聞くためのヘッドホンは昔も今も変わらず耳に密着させるタイプのものだ。

じつはこのヘッドホンを中心に私は長い間「音楽を聴く方法」に悩まされている。それも1つではなく3つの悩みだ。

【悩み・その1】耳へのフィット感

想像するに私の耳は、一般的な日本人の平均的な形から外れていると思われる。なぜなら、ヘッドホンを使って音楽を聴いていると短時間で耳が痛くなるからだ。

子供のころから私の耳は、他の子供に比べて左右に張り出していて、よく「ぞうさんみたい」とからかわれることが多かった。おそらくそれが原因で、ヘッドホンが耳を頭の方向に押し付けることになり短時間で痛くなるのだと思う。

そこで、私はヘッドホンタイプから直接耳の穴に差し込むイヤホンタイプに切り替えてみた。
すると今度は、短時間で耳の穴が痛くなった。

どうやら私の耳の穴は日本人の平均的な大きさより、かなり小さいようだ。穴に差し込むゴムパーツを最小サイズに取り換えても効果はなかった。…で、結局のところ今は、イヤホンタイプとヘッドホンタイプを両方持ち歩き、痛くなったら交換して使っている。

【悩み・その2】ワイヤーコードのある/なし

安価で構造も簡単なワイヤーコードタイプのヘッドホンを使っていると、コードがじゃまだったり、うっとおしかったり、とにかく悩ましい。

気分的な問題だけじゃなく、一度満員電車の中で、女性のピアスとからまって怪我をさせそうになったこともあるし、女性のカバンにつけられたストラップと絡まってコードが切れてしまった上に、女性からは痴漢でも見るような目で見られたこともあった。

そんなわけで、ある時bluetooth対応のワイヤレスヘッドホンに切り替えてみた。
ところが今度は、音質が悪かったり誤作動が多かったりと、これまた別の悩みが湧いて出てきた。

【悩み・その3】スマートフォンでの操作

選曲や再生の方法など、諸々の操作はスマホ上で行うわけだが、とにかく操作が面倒だ。現在のスマホはPCほどマルチタスクに対するUIがこなれていないため、アプリやブラウザとの切り替えがいちいち大変でイライラする。画面が小さいのもその一因だと思う。


さてさて、これらの悩みを一気に解決出来るのではないかと思い、このほど一体型のウォークマンという物を購入してみた。

ヘッドホンそのものがウォークマンであり、水泳やジョギングをする人のために開発された商品なので、ヘッドホン以外に必要なものはない。これって、今までの悩みをすべて解決できる理想形ではないかと、わくわくしながら使ってみた。

…ところが、今度はモニターがないということの不便さを思い知ることになった。選曲やプレイリストの切り替えなど、すべてをヘッドホンについているボタンでいちいち送っていくしか方法がないのだ。

…で、結局のところ、このウォークマンを操作するためのアプリをスマホにインストールして使うことになった。音楽データはヘッドホン側に入っているので音質の問題は解決し、誤動作もほぼないものと思われる。それでも、操作はスマホだ。

ということで、私のリスニングライフはまだ着地点に来ていない。

タグ | 2020/06/16 更新 |