田中圭一のゲームっぽい日常 マンガで味わう臨場感

田中圭一のゲームっぽい日常 マンガで味わう臨場感

マンガの魅力ってなんだと思いますか?
「キャラクターから目が離せない」とか「ストーリー展開が面白い」とか「絵柄や世界観が好みに合う」とか、人によってグっとくるポイントは様々だと思います。

そんな中、最近私が注目しているのは「まるで、その場にいるかのような臨場感を感じることのできるマンガ。」です。

そもそもマンガなんて、ペンで描かれたモノクロの世界。なのに、作品によっては「描かれた世界の中に自分も立って、キャラクターたちを見つめている」ような錯覚を覚えるマンガがあります。

あずまきよひこさんの「よつばと!」と、森薫さんの「乙嫁語り」が、それにあたります。読んでいると、ペンで描かれた絵なのに、あたかもその場所に自分がいるような錯覚を覚えます。

どちらの作品も、さして大きなドラマもなく、キャラクターたちが淡々と日常を過ごし、その中で起こる小さなエピソードだけを描いています。

逆に、そのせいか、読者はそのキャラクターたちと同じ時間を過ごしているかのような錯覚を覚えるのです。映画館に入って映画が始まった瞬間から、観客が日常から別世界へ誘われるように、これらのマンガを読むと、読者は、別世界へ行けるのです。

これって、凄いことだと思います。また、同業者として一作でもいいから、こういうマンガを描いてみたいと思います・・・けど、無理でしょうね。私には。(^^;)

タグ | 2020/06/16 更新 |